みみずく先生の妖怪博士見習い日記 TOP  >  スポンサー広告 >  ■記録  >  その他のイベント >  六本木クロッシング2013展:アウト・オブ・ダウト―来たるべき風景のために@森美術館

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --年--月--日 --:-- ] カテゴリ:スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

六本木クロッシング2013展:アウト・オブ・ダウト―来たるべき風景のために@森美術館

あけましておめでとうございます。


こちらのブログは、本業ブログ と異なり、更新頻度は低めです。何か特別な出来事があったり、強く心に残るような体験をしたり……それらを記事として残すためのブログだからです。1週間に1回くらい更新できればいいかな、と考えています。


新しい記事があまりアップされず物寂しいブログですが、ご興味のある方は時々覗きに来てくださいませ。今年もよろしくお願い致します。


新年のご挨拶は以上。本題に入ろう。


1月3日、僕は六本木ヒルズへ足を運んだ。僕の目的は「スヌーピー展 しあわせはきみをもっと知ること 」――開催されていることをど忘れしていたため、終了3日前に訪れることに……

この日は、いつもの連れY君と一緒に「スヌーピー展」へ行く予定だった。しかし、急遽Y君が来られなくなり、僕は一人寂しく、カップルやら親子連れやらがひしめく六本木ヒルズへ特攻した。


リア充?なにそれ?おいしいの?(笑)


20140105_01


「スヌーピー展」会場の森アーツセンターギャラリー。階段に長蛇の列ができている。ひどい混雑だ。「どのくらい並びますか?」と係員に聞いたところ、「60分以上待つことになりますね」――そんなに待ちたくないし、この混雑では落ち着いて展示を観られないだろう。というわけで「スヌーピー展」は断念。

――せっかく来たんだし、隣の森美術館に入ろう!

僕は気持ちを切り替えて、森美術館への階段を昇った。


森美術館では、10周年記念展がちょうど開催されていた。


六本木クロッシング2013展:アウト・オブ・ダウト―来たるべき風景のために 



20140105_02


会場受付前のシュールな光景。

――帽子をかぶった岩???


「六本木クロッシング2013展」は現代アートの展覧会だ。現代アートの世界では、上の写真のようなシュールな作品が多い。そのため、僕自身、現代アートを敬遠するきらいがあった。しかし――せっかく1500円も払ったんだから、じっくり鑑賞してやろうじゃないか!――僕の心に燃え上がる何かがあった(1500円の魔力、恐るべし!(笑))


※受付では音声ガイドを無料で貸し出してくれる。これを聴きながら作品を鑑賞することをお勧めする。


20140105_03


会場に入った直後、僕の視界には異様な壁が飛び込んできた。小林史子《1000の足とはじまりの果実》だ。大量の椅子と洋服を積み上げて作られた6×6メートルの壁には、観る者を圧倒する迫力がある。


20140105_10


壁の裏側。日常とは異なる光景に、誰もが足を止め見入っていた。椅子や洋服はどこにでもあるものだ。しかし、アーティストの手にかかると、そうした日用品すら別の存在へと変容させられる。これこそアートの力であり魅力でもあるのだ。現代アートを敬遠していた私が、現代アートの世界へ一気に引き込まれる瞬間だった。


20140105_04

「現代アート」に限らず、アート(芸術)が社会や政治から隔絶している、という偏見は今でも根強いのではないか。芸術家は自分のアトリエに籠りっきりで意味不明な「芸術作品」を作っている――そんなイメージを抱く人々も多そうだ。しかし、実際のところ、アートの現場は、常に現実社会から影響を受けて動いている。


上の写真は、風間サチコ《人外交差点》――渋谷のスクランブル交差点には、弾圧を行なう兵士、亡霊や黒魔術師、無防備な市民等がひしめき合う。これらは全て、自由が制限されていく市民を象徴している。現代社会は、安全・安心を追求するあまり、相互監視を積極的に受け入れている。その状況に警鐘を鳴らす作品だ。


20140105_11


上の写真は、中村宏《観光独裁》――「新旧の交通手段とエロティシズムを象徴するセーラー服などがダイナミックな構図で風景化されてい」る(解説文より)戦後復興期、左傾化の時代を生きた中村は、自身と時代とを重ね合わせて創作活動に励んだ。そこで培った社会風刺的視点は、後の作品となる《観光独裁》にも顕著である。交通網の整備が社会に発展をもたらす一方で、その背後では人々の多様な欲望が渦巻いている。パブリックな領域とプライベートな領域が実は表裏一体の関係にある、という事実を巧みに暴き出しているのではないか?


入り口付近の作品をいくつか鑑賞しただけで、僕は結構お腹いっぱいになった(笑)しかし、まだまだ展示は続く。


20140105_05


20140105_06

「六本木クロッシング2013展」には政治的な作品が多い。


「これまでのあらゆる社会通念や既存の制度に向けられた疑念(ダウト)から、アートを通じてどのような生産的な議論を生み出せるのでしょうか?」(公式HP より)


引用文からも明らかな通り、「六本木クロッシング2013展」自体が、現代社会への問題提起となっているのだ。世界情勢というグローバルな視点と芸術表現という極めて個人的な手法とがリンクしたとき、人々の心に強く訴えかける作品が産声を上げる。

芸術とは、その当時の世相を濃厚に反映して成立するものだ。宗教が脇に追いやられた現代社会において、アートが意識すべき対象は政治である。政治に対する意思表示の一形態として、現代アートはその存在価値を示そうとしているようだ。


20140105_07


一方で、日本の伝統文化に目を向けさせる作品も展示されていた。上の写真はアキラ・アキラ《無人島》だ。アキラは、個々のオブジェクトの配置を考える際、生け花や日本の伝統的な庭園を参考にしたという。「そこでは個々の機能よりも全体の調和が重視される」(解説文より)


20140105_12


こちらの写真はサイモン・フジワラ《岩について考える》の一部だ。この作品は、もともと大宰府主催のプロジェクトで展示されたものだ。日本古来の神道は、万物に神霊が宿るとするアニミズム的な要素が強く、岩が崇拝の対象となることもあった。日本に限らず、岩に関する伝説は世界各地に存在する。サイモンはそれらの伝説をリサーチし、その結果を創作につなげたのだ。会場受付の帽子をかぶった岩もサイモンの作品である。


僕は、現代アートを通して「世界の中の日本」を発見した。日本文化は世界でも高く評価され、それ故アーティスト達にも強い影響を与えている。彼ら・彼女らの作品には、僕が普段見ているのとは異なる日本の姿が映っていた。


20140105_08

20130914_13

20140105_09


「分かりやすさ」ばかりが礼賛される昨今だが、時に難解な現代アートに触れてみるのも悪くない。純粋に作品を鑑賞した後、解説文から作者の意図を読み取る。その上で作品を再度鑑賞し、そこに自分なりの解釈を与えていく。現代アートの作品を自分の血肉として消化する――そういう経験をしてみるのは、単視眼的になりがちな自らの視界を広げる上で有効だ。ここに現代アートの役割があるのではないだろうか?


アートは無用の長物などではない。作品は作者の思いを伝え、時に作者の意図を離れて何かを訴えかけてくる。その声に耳を傾けようと努めれば、アートとの出会いは人生における貴重な財産となり得るのだ。


20130914_14

上の写真は《プロジェクトFUKUSHIMA!》だ。東日本大震災によって引き起こされた福島第一原子力発電所の事故は、戦後日本の成長路線における負の側面を僕達に突きつけてきた。しかし、アーティスト達は現実に打ちひしがれて沈黙するのではなく、「アートによって何ができるか?」を考えた。彼ら・彼女らは、自らの役割を自覚し、現実に対するアートの可能性を追求した。その結果、プロジェクトは大成功を収めたのだ。


確かに現代アートにはとっつきにくい側面がある。しかし、そこで諦めずに個々の作品と向き合えば、僕達は「新たな視点」を得られる。「現代アート」という眼鏡をかけて現代社会を眺めると、日常とは異なった光景が見えてくるのだ。「六本木クロッシング2013展」は、僕に大切なことを気付かせてくれた展覧会だった。


「六本木クロッシング2013展」は1月13日まで開催中です。オススメの展覧会ですので、皆さん、是非足をお運びください!

スポンサーサイト
[ 2014年01月07日 01:00 ] カテゴリ:その他のイベント | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL

プロフィール

みみずく先生@妖怪博士見習い


管理人:みみずく先生@妖怪博士見習い

都内で家庭教師業を営むみみずく先生です。日ごろ、生徒さんや保護者様とお話ししながら、密かに妖怪文化の普及に努めています(笑)

現在、家庭教師業の傍ら、在宅ライターとしてのお仕事もしています。数社から継続して依頼を受けています。ライターとしての更なるスキル向上を目指し、不定期でこちらのブログも更新しています。

妖怪関係の記事や趣味の記事がメインですが、好きな人やお店等も紹介していくつもりです。エログロ・オカルト・アングラ・サブカル等、ちょっと過激な記事も紛れると思いますが、苦手な方はそういう記事を読み飛ばしてください。

ライターのお仕事を随時募集中です。ライターのお仕事に関するご相談は、以下のメールフォームからお願いします。

mailform


家庭教師関係の情報は、以下のブログをご覧になってください。

墨田区両国のプロ家庭教師みみずくの教育ブログ

最新記事
ツイッター

PR
検索フォーム
ブログランキング
ブログランキングに参加しています!是非クリックをお願い致します!

タグクラウド

QRコード
QR
ブロとも申請フォーム

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。