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江戸妖怪大図鑑・第2部「幽霊」@原宿太田記念美術館~浮世絵に描かれた怨霊や亡霊達の姿に迫る!

「ファッションの街」「若者の街」として賑わう原宿に太田記念美術館――世界有数のコレクションを所蔵する浮世絵専門の美術館――がある。現在、この美術館で、蒸し暑い夏にぴったりの特別展が開催されている。

江戸妖怪大図鑑

7月から3ヶ月間にわたって開催されるこの展覧会は、会期を3部に分けて展示入れ替えを行う。第1部「妖怪」、第2部「幽霊」、第3部「妖術使い」というテーマの展示を、それぞれ1ヶ月毎に楽しめる。

今回僕が足を運んだのは第2部「幽霊」だ。谷中圓朝まつりで幽霊画の数々を鑑賞してゾクッとした翌日、他の幽霊達とも出会いたくなって、僕は太田記念美術館へ足を運んだ。

江戸妖怪大図鑑・第2部「幽霊」@原宿太田記念美術館~浮世絵に描かれた怨霊や亡霊達の姿に迫る!

江戸妖怪大図鑑・第2部「幽霊」@原宿太田記念美術館~浮世絵に描かれた怨霊や亡霊達の姿に迫る!

会場に入ってまず目を引くのが、畳のスペースに展示されている葛飾北斎『百物語』シリーズだ。このシリーズは、百物語を画題に100の揃物として企画されたと考えられている。しかし、現存するのは5図のみ――「お岩さん」「さらやし記」「笑ひはんにや」 「しうねん」 「小はだ小平二」――とはいえ、北斎が描いたユニークな妖怪達の姿は、一度見たら忘れられないくらいインパクトが強い。いずれも北斎の奇想が遺憾なく発揮された傑作だ。
「お岩さん」の前で、一人の学生と思しき女の子が、熱心に写生していた。彼女が見つめるお岩さんは、提灯とその顔が融合している。『東海道四谷怪談』のおどろおどろしさは影を潜め、ユーモラスな雰囲気が滲み出ている。そんなお岩さんに、女の子は魅了されたのかもしれない。

会場内には人が多かった。若い男女のカップル、外国人のカップル、子連れの親子、仲睦まじい熟年夫婦……幸せそうな人達が多かったのは何故だろう?
――誰かと連れ立って来る連中は、一人で幽霊画を見ることもできない臆病者だ!
そんなふうに心の中で毒づきながら(笑)、ボッチの僕は、会場内をグルグルと歩き回った。

展示は、「累」「お岩」「お菊」「浅倉当吾」「平家の亡霊たち」等、いくつかのテーマで分類されている。歌川国芳や歌川国貞、月岡芳年といった有名な絵師たちの作品を中心に、約100点が並んでいる。画集等で見たことのある絵から初見の絵まで、沢山の幽霊達との出会いがあった。

幽霊画とはいっても、今回の展示のメインは、芝居や伝承をもとにして制作された浮世絵がメインだ。劇中の見せ場を写真に撮ったような、迫力のある絵が多かった。絵から恨みつらみがひしひしと伝わってくるわけではない。むしろ、そこから滲み出ているのは、非業の死を遂げた者達に仮託された、当時の庶民の声だった。

壇ノ浦の海に沈んだ平家一族の怨霊が源氏に襲い掛かる絵――歌川国芳『摂州大物浦平家怨霊顕るる図』や歌川芳艶『八嶋壇浦海底之図』――からは、敗北した者たちが死して尚勝者に挑む構図を通して、武士に抑えつけられている庶民の抵抗が読み取れないだろうか?
また、『東海道四谷怪談』や『番町皿屋敷』といった芝居自体、武家社会への批判が込められている。それらを浮世絵化することは痛烈な社会風刺でもある。
領主の悪政に抗議したために刑死した浅倉当吾は、封建社会を打倒するヒーローを待ち望む民衆の心理に見事に呼応していたのだろう。歌川国芳『四代目市川小団次の浅倉当吾亡霊』に描かれた浅倉当吾は、一体何を見据えているのか?

「地獄」のコーナーでは、歌川芳艶『どうけじごくごくらくず』が特に面白かった。地獄では絶対の権威を誇る閻魔大王や獄卒たちを、歌舞伎や読本のヒーローたちが成敗するという絵だ。本来は人間如きが抗えないはずの地獄。しかし、庶民に愛されるヒーローたちは、そこへ果敢に乗り込んで行くのだ。爽快アクション映画さながらの浮世絵からは、当時の庶民のエネルギーがひしひしと伝わってきた。現代人も元気をもらえる一作だ。

幽霊というと、どうしても血なまぐさい恐怖の対象を思い浮かべがちだ。しかし、「江戸妖怪大図鑑」の幽霊達は、恨めしい表情の中にも、前向きな思いとユーモアが感じられる。そんな幽霊達と出会える展覧会は、「幽霊は怖いから苦手!」と言う人でも目を背けずに楽しめるはず。実際、小さな子どもたちが、会場内でクルクルと嬉しそうに踊っていたくらいだ(笑)

残暑の厳しいこの季節、皆さんも、涼みがてら太田記念美術館へ足を運んでみてはいかが?(了)
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[ 2014年08月09日 13:00 ] カテゴリ:妖怪イベント | TB(-) | CM(0)
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都内で家庭教師業を営むみみずく先生です。日ごろ、生徒さんや保護者様とお話ししながら、密かに妖怪文化の普及に努めています(笑)

現在、家庭教師業の傍ら、在宅ライターとしてのお仕事もしています。数社から継続して依頼を受けています。ライターとしての更なるスキル向上を目指し、不定期でこちらのブログも更新しています。

妖怪関係の記事や趣味の記事がメインですが、好きな人やお店等も紹介していくつもりです。エログロ・オカルト・アングラ・サブカル等、ちょっと過激な記事も紛れると思いますが、苦手な方はそういう記事を読み飛ばしてください。

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