みみずく先生の妖怪博士見習い日記 TOP  >  スポンサー広告 >  ■論文  >  妖怪検定上級対策 >  提灯小僧の存在意義に関する一考察――送り提灯・提灯お化け・提灯お岩との比較検討を通して――

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --年--月--日 --:-- ] カテゴリ:スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

提灯小僧の存在意義に関する一考察――送り提灯・提灯お化け・提灯お岩との比較検討を通して――

今年も第9回境港妖怪検定の実施日が決まり、8月1日より受験申込受付が始まった。詳細は公式HPで確認してほしい。

境港妖怪検定公式HP

僕は今年も上級受験のために鳥取県境港市へ飛ぶ予定だ。昨年は見事に上級不合格だったので、今年こそは合格を勝ち取りたいところ……。そろそろ勉強を始めなくてはならない。

昨年も、上級対策として、事前に1200字論文をいくつか作成した。不合格の反省も兼ねて、それらの論文を公開していこうと思う。
今回公開するのは、「あなたの地元の妖怪や不思議な伝説についてわかりやすく説明せよ」という過去問を意識して作成した論文だ。僕の地元が宮城県なので、仙台の城下町に現れたという「提灯小僧」について論じている。問題文に「わかりやすく」という但書があるのに、わかりやすく書かれていないという問題点がある。そこが不合格の原因なのだろう、と反省している(笑)

提灯小僧の存在意義に関する一考察――送り提灯・提灯お化け・提灯お岩との比較検討を通して――



宮城県には、提灯小僧の伝承がある。提灯小僧とは、その手に提灯を持った少年の姿をした妖怪である。雨の夜道を人が歩いていると、後ろから提灯小僧が現れて、人を追い越したり立ち止まったりを繰り返し、最後には消え去ってしまう。この提灯小僧の存在意義は何か。本論文では、提灯系の妖怪を分類・整理した上で考察を加え、提灯小僧の謎に迫りたい。

まず取り上げたいのが、江戸本所に語り伝えられた提灯小僧の伝承である。これは、本所七不思議の送り提灯と同一視される。送り提灯は、提灯のように揺れる明かりが人を送って行くように現れ、消えたり灯ったりを繰り返す怪異である。宮城県の提灯小僧と類似した現象だが、送り提灯の怪火は提灯の明かりと断定できない。江戸本所の提灯小僧も、本当に提灯かどうかは疑わしい。

次に、提灯に口と目の付いた提灯お化けを取り上げる。鳥山石燕が『百器徒然袋』に描いた「不落不落」はこのお化けに近いが、石燕の解説によるとその実体は狐火だという。つまり、不落不落も送り提灯と同様の怪火に過ぎないのだ。一方、山形県には、古びた提灯が化けて出るという昔話がある。こちらは、器物が年を経て妖怪化する付喪神である。山形県の昔話を除くと、提灯お化けの具体的な伝承はほとんど残されていない。そのため、提灯お化けが子供向けに創作された妖怪だという説もある。

最後に、提灯お岩を取り上げる。提灯お岩は、鶴屋南北『東海道四谷怪談』に登場する幽霊・お岩が提灯に乗り移った姿である。葛飾北斎が『百物語』シリーズで描いたものが有名だろう。この提灯お岩は、歌舞伎における「提灯抜け」という仕掛けがヒットしたことから流布した創作妖怪である。

以上、提灯系の妖怪は、怪火・付喪神・幽霊の憑依したものに分類され、中には創作も見られる。ただし、創作妖怪にしても、人々に違和感なく受け入れられた事実には着目したい。提灯と妖怪とは相性が良いのだ。

提灯が庶民に普及したのは江戸時代である。当時の夜は、現代とは異なり非常に暗かった。夜の外出では、漆黒の闇と人間とを分かつ唯一の光源が提灯だった。提灯は、いわゆる「境界」だったと考えられる。境界とは二つ以上の領域が相接するところである。空間的な境界には辻や橋、川、山、トイレ等がある。昼と夜とが接する逢魔時は時間的な境界と言えよう。これらの境界では怪異が発生しやすいとされる。したがって、境界としての提灯に妖怪が現れても不自然ではない。怪火や創作妖怪も「提灯」と名付ければ、人々が受け入れやすい存在となったのだ。

こうした背景の下、提灯小僧が誕生したのだろう。提灯小僧は理不尽な殺人が行なわれた場所に出没するという説がある。提灯小僧が手に持つ提灯は、死者の無念の思いが現出する境界であり、その思いを人々に違和感なく伝える役割も果たしていたと考えられる。
スポンサーサイト
[ 2014年08月10日 09:20 ] カテゴリ:妖怪検定上級対策 | TB(-) | CM(2)
ついに今年もこの季節がやってきましたか。
満を持しての挑戦、
今年こそと思っております!

しかし毎年思いもよらぬ問題が出てきますよね~。
まるでサトルの化け物が心を読んでいるかのように…

月並みな応援になってしまいますが、
全力を出せるよう頑張って下さい(`・ω・´)ゞ
[ 2014/08/10 22:13 ] [ 編集 ]
Re: タイトルなし
応援ありがとうございます(*^_^*)

今年も10月に鳥取&島根へ飛びます!
そして、そのまま帰らぬ人に……(笑)

どんな問題が出るかも予想できませんので、
今年は事前に論文を暗記していくのではなく、
なるべくその場で考えて書こうと思っています。
そのための情報収集をしつつ、
あと何回か過去に書いた論文を晒します~

僕は、サトルの化け物なんかに負けないぞ!( ・`д´・)ノ
[ 2014/08/11 00:19 ] [ 編集 ]
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

みみずく先生@妖怪博士見習い


管理人:みみずく先生@妖怪博士見習い

都内で家庭教師業を営むみみずく先生です。日ごろ、生徒さんや保護者様とお話ししながら、密かに妖怪文化の普及に努めています(笑)

現在、家庭教師業の傍ら、在宅ライターとしてのお仕事もしています。数社から継続して依頼を受けています。ライターとしての更なるスキル向上を目指し、不定期でこちらのブログも更新しています。

妖怪関係の記事や趣味の記事がメインですが、好きな人やお店等も紹介していくつもりです。エログロ・オカルト・アングラ・サブカル等、ちょっと過激な記事も紛れると思いますが、苦手な方はそういう記事を読み飛ばしてください。

ライターのお仕事を随時募集中です。ライターのお仕事に関するご相談は、以下のメールフォームからお願いします。

mailform


家庭教師関係の情報は、以下のブログをご覧になってください。

墨田区両国のプロ家庭教師みみずくの教育ブログ

最新記事
ツイッター

PR
検索フォーム
ブログランキング
ブログランキングに参加しています!是非クリックをお願い致します!

タグクラウド

QRコード
QR
ブロとも申請フォーム

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。