みみずく先生の妖怪博士見習い日記 TOP  >  スポンサー広告 >  ■記録  >  その他のイベント >  佐藤 嗣 写真展「MIAGETEMIRU」~東京23区~&杉本文司 写真展「草屋根」&むらいさち 写真展「きせきのしま」~ちいさな島の夢のはなし~@新宿コニカミノルタプラザ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --年--月--日 --:-- ] カテゴリ:スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

佐藤 嗣 写真展「MIAGETEMIRU」~東京23区~&杉本文司 写真展「草屋根」&むらいさち 写真展「きせきのしま」~ちいさな島の夢のはなし~@新宿コニカミノルタプラザ

最近、「写真」というアート分野に興味がある。プロの撮影した写真は、被写体の魅力を最大限に引き出し、鑑賞者を魅了する。それは何故か?

僕自身、記録写真として、人やモノを撮影してネット上にアップしている。そうした写真がもっと魅力的であれば、皆さんに喜んでもらえるのではないか?――この思いが強まってきたとき、参考になるのは、やはりプロの作品だ。
僕は写真の芸術性を追及したいわけではない。しかし、「美しい写真」を沢山鑑賞して自分なりの美意識を培っておけば、今後の撮影の指針になるはずだ。積極的に写真展へ足を運ぶ意図はここにある。

今回は、新宿のコニカミノルタプラザで開催中の写真展へ足を運んだ。

佐藤 嗣 写真展「MIAGETEMIRU」~東京23区~&杉本文司 写真展「草屋根」&むらいさち 写真展「きせきのしま」~ちいさな島の夢のはなし~@新宿コニカミノルタプラザ

特に興味があったのは「佐藤 嗣 写真展「MIAGETEMIRU」~東京23区~」だ。

日ごろ見慣れた都内の風景――その一部を切り取ったモノクロ写真は、鑑賞者にどのような印象を与えるのか?

たとえば、人物を撮影する際、その方の全身を撮るべきか、顔を中心に撮るべきか、と僕はしばしば悩む。佐藤氏の作品から、悩みを解決するためのヒントを得たいと思ったのだ。

会場内に入ると、壁に展示されているのは、確かに東京23区に存在するモノの写真だ。しかし、それらは、僕の知っているモノとは全く異なる雰囲気を醸し出していた。佐藤氏ご自身が述べられている通り、「オブジェのように切り取られた構造物の背景」に、「都心とは思えない、そして都心にしかない詩的な情景」が広がっているのだ。その「詩的な情景」は、冷たく無機的で、観る者の心に迫る威圧感を伴っていた。

僕は、自分の住処である墨田区を探してみた。墨田区名物の「金のウ●コ」の尻尾は怪獣の尻尾を想起させる。ビルのガラス面に移ったスカイツリーは、下を通る人達を嘲笑っているかのようだ。
僕は、これらの建造物の近くをよく通るが、まさかこんな表情があったとは……。「金のウ●コ」もスカイツリーも、初めて見たときは物珍しさに驚かされたが、次第に日常の何気ない背景へと後退していった。今さらこれらを眺めても、特に新しい発見は無い、と思い込んでいた。佐藤氏の写真は、僕の浅はかな思いを見事に打ち砕いたのだ。

東京タワーや観覧車、高架橋、風車……いずれも日常から切り離されたオブジェとして屹立していた。それらを眺めているとき、僕はふと気づいた。背後にある空との関係からこれらを読み解くべきではないのか、と。東京の空は、きっと天国へと続いている。都会の雑踏を離れた静寂の境地が、はるか上空に存在するに違いない。そう思えば、一見冷淡な建造物達は、柔和な表情を見せてくれた。これらは、僕達を天国へと導く道しるべなのだ。佐藤氏が写し出したモノクロの世界が、僕の中で彩りを帯びた瞬間だった。

コニカミノルタプラザでは、他にも2つの写真展が同時開催中だった。「杉本文司 写真展「草屋根」」と「むらいさち 写真展「きせきのしま」~ちいさな島の夢のはなし~」だ。

「杉本文司 写真展「草屋根」」は、杉本氏が何十年にもわたって撮り続けてきた茅葺き屋根(草屋根)の写真展だ。

草屋根の民家は、かつて田んぼの真ん中や山の麓に存在したのだ。「生きている草屋根の家」は、夏の日差しを浴び、白い雪に覆われ、四季折々の情景に溶け込んでいる。そこには、自然の中で生きる人間の知恵が宿っている。庭先に洗濯物が干してある写真を見ると、彼らの生活感がこちらに伝わってきた。
日本人の原風景ともいうべき草屋根は、しかし、現在では失われつつあるという。杉本氏はそのことを嘆き、「自然環境と共に生き続ける日本の古い草屋根の民家を一軒でも多く残したい」と切に願うのだった。彼の撮った写真には、草屋根に対する彼の愛が滲み出ていた。それ故、僕は、どの写真からも優しい印象を受けたのだろう。

「むらいさち 写真展「きせきのしま」~ちいさな島の夢のはなし~」は、むらい氏が「きせきのしま」と名付けた無人島の姿を展示している。

南の海にポツンと浮かぶ「きせきのしま」――むらい氏は、そこにこの世の楽園を見たのだ。都会の喧騒から離れて無人島を訪れると、それまで「当然」と考えていた価値観がぐらつく。「きせきのしま」にあるのは、壮大な自然だけ。そこに立った時、利便性や娯楽性を求めて汲々として生きてきた自分が馬鹿らしくなる。同時に、思わず頬が緩む自分にも気付けるのだ。
日差しを浴びてキラキラ輝く海と砂浜、ヤシの木、サンゴ礁、ヤドカリ、海を眺めている犬、スコール後の虹――都会ではけっして見られない光景は、鑑賞者の意識をパラダイスへと誘う。会場内は多くの人達で賑わっていた。彼らは、モノが溢れる都会に疲れ、本当に大切なモノしか存在しない「きせきのしま」を求めて集まったのかもしれない。

3つの展覧会を比較しながら鑑賞できたのは幸運だった。どの展覧会も風景写真を展示していたが、その趣は全く異なっていた。被写体の違いはさることながら、撮影者の目的がどこにあるか、によって風景の切り取り方にも個性が表れるのだ。佐藤氏は、都心から眺めた「詩的な情景」を、建造物の無機的な表情によって表現した。杉本氏は、「生きている草屋根の家」の記録を通して、日本人が失いつつある自然観を伝えようとする。むらい氏は、都会の対極にあるパラダイスとして、「きせきのしま」の魅力を写真に収めた。仮に3人が同じ風景を撮影したとしても、全く別の作品が生まれることだろう。写真の奥深さを実感させられた。

3つの展覧会は9月19日まで開催中だ。写真に興味のある方は、足を運んでみてはいかがだろうか?(了)
スポンサーサイト
[ 2014年09月15日 12:00 ] カテゴリ:その他のイベント | TB(-) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

みみずく先生@妖怪博士見習い


管理人:みみずく先生@妖怪博士見習い

都内で家庭教師業を営むみみずく先生です。日ごろ、生徒さんや保護者様とお話ししながら、密かに妖怪文化の普及に努めています(笑)

現在、家庭教師業の傍ら、在宅ライターとしてのお仕事もしています。数社から継続して依頼を受けています。ライターとしての更なるスキル向上を目指し、不定期でこちらのブログも更新しています。

妖怪関係の記事や趣味の記事がメインですが、好きな人やお店等も紹介していくつもりです。エログロ・オカルト・アングラ・サブカル等、ちょっと過激な記事も紛れると思いますが、苦手な方はそういう記事を読み飛ばしてください。

ライターのお仕事を随時募集中です。ライターのお仕事に関するご相談は、以下のメールフォームからお願いします。

mailform


家庭教師関係の情報は、以下のブログをご覧になってください。

墨田区両国のプロ家庭教師みみずくの教育ブログ

最新記事
ツイッター

PR
検索フォーム
ブログランキング
ブログランキングに参加しています!是非クリックをお願い致します!

タグクラウド

QRコード
QR
ブロとも申請フォーム

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。